産業保健師を選ぶポイント

知識量だけで決めてはいけない

産業保健師を選ぶにあたってどんな保健師が適任なのかよく分からず悩んでいる企業経営者も多いかと思います。とりあえず知識量が豊富な保健師なら間違いないと考えている人もいるかもしれません。

確かに豊富な知識を持つ産業保健師なら、さまざまな場面に対応できて、良い仕事をしてくれそうです。しかし、産業保健師を選ぶ際に知識量だけで決めるのはあまりおすすめできません。産業保健師は、多くの一般社員と直接接しながら、保健指導などを行います。

そのため、知識量に加えてコミュニケーション能力が重要です。コミュニケーション能力があまり高くない産業保健師だと、社員が抱えている悩みなどを十分に聞き出せないこともあります。そうなると、的確なアドバイスも難しくなるでしょう。

また、相談業務などを行うこともあるため、カウンセリング能力なども重視されます。社員にとって話しやすく信頼できると感じる産業保健師なら、相談業務もスムーズにこなせるでしょう。

実務経験と事務処理能力が重要

保健師の中には、大学や専門学校を卒業して資格を取得したばかりの人もいれば、病院や行政機関などで一定期間勤務していた経験のある人もいるでしょう。年齢の若く経験も浅い保健師もいれば、10年以上の実務経験のある保健師もいます。また、他の企業で産業保健師として働いていた保健師もいるでしょう。

一般の社員を採用するならポテンシャルなどを重視することもありますが、産業保健師の場合には、ポテンシャルよりも実務経験を重視するのが望ましいです。一般社員の場合には、経験がなかったり浅かったりしても社内で育成できますが、産業保健師の場合にはそれが難しいためです。

また、産業保健師の仕事の中には健康診断のデータ管理などのデスクワークも含まれています。そのため、事務処理能力なども重視されることが多いです。Excelなどの扱いが得意で事務処理能力の高い産業保健師なら、その分だけ社員の保健指導や相談業務に時間を多く使えるようになります。